■Q&A
むし歯に関するもの
- どうしてむし歯になるのですか?
- お口の中が汚れてくるとむし歯菌が増えてきてプラークというネバネバを作り、これが歯にまとわりつきます。その中でむし歯菌がさらに増えて砂糖を利用して酸を作ります。この酸が歯を溶かしてむし歯になります。
- どうすればむし歯になりにくいですか?
- まずはお口の中を清潔にしましょう。歯ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)、歯間ブラシなどの補助の道具を使うと効果的です。また食事は良く噛んでとり、できれば甘いものは控え目にして食後は歯を磨く習慣をつけてください。また生活リズムを規則正しくすることも大事です。
- むし歯ができているようです。どういう治し方をするのですか?
- むし歯の程度、場所により異なります。一般的にはむし歯が小さければ悪いところだけ削って詰め物をします。それより深くなってくると少し大きく削って型をとり金属などを使って部分的に補います。更に深くて俗に神経と呼ばれる部分に届いてしまうとその治療を数回かけて行い、その後にかぶせ物を作るようになります。もっと進んでしまうと最悪の場合歯を抜かなくてはならなくなります。
歯周病に関するもの
- 歯周病とはどういうものですか?
- 以前は歯槽膿漏と言われていたものです。7割前後の人が歯周病とも言われています。私たちの口の中にはたくさんの種類の細菌がいます。その中に歯の周りに悪影響を与えるものがありますが、それらの菌が口の中の不衛生などで元気になってしまうと歯茎に炎症を起こしたり、更に悪くなると歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしたりしてしまいます。そのような状況を歯周病といいます。
最近では全身の病気との深い関わりが指摘されています。
- 歯周病にはどのような症状がありますか?
- 歯を磨くと血が出る、歯肉が腫れて赤くなっている、口臭がする、朝起きたときに口の中がネバネバする、歯がしみる、歯の浮いた感じがする、歯がグラグラするなどの症状があります。このような症状があるようなら要注意です。
歯科医師に早めに相談することをおすすめします。
- 歯周病を悪くしないためにはどうすればいいですか?
- もちろんお口の中を清潔にしておくことが重要ですが、少しでも気になるようであればかかりつけの歯科医院への受診が必要です。歯はきれいでも歯の生え際の歯周ポケットと呼ばれる部分の状態が良くないと歯周病は進行してしまいます。
レントゲン写真などで骨の状態を正しく判断し歯周病に適したブラッシングの指導など専門家のアドバイスを受けることが必要です。また歯の周りに歯石(歯の周りの堅くなった汚れ)が付いているようであれば早めに取り除き以後再びつけないようにすることも大事です。
子供の歯の健康について
- 子供がむし歯にならないようにするには?
- むし歯になりにくい強い歯を作るにはお母さん妊娠時期の生活習慣も重要です。バランスのとれた栄養をとるようにしましょう。生まれて乳歯が生えてきたらプラークコントロール(歯垢=プラークをできるだけ少なくすること)のはじまりです。
むし歯菌をゼロにできればいいのですが、そうはいかないのでできるだけその数を減らす必要があり親の管理が不可欠です。乳歯は永久歯に比べると弱いため少しの油断がむし歯へとつながります。規則正しい生活習慣も欠かせません。甘い物はできるだけ控え、歯磨きはできるようになっても子供任せにせず親の仕上げ磨きは可能な限り長く続けましょう。
また、フッ素の利用も歯を強くすることには効果的な手段です。
補綴(ほてつ)に関するもの
- 歯を抜きましたがそれを補うにはどういう方法がありますか?
- 失った歯を補うにはいくつかの方法があり、無くなった歯の本数、場所、歯肉の状態などでも選択肢が変わります。また、手段、種類によって保険がきかない場合もあります。一般的には歯が1~2本くらいで前後に歯があればブリッジ(無くなった歯の前後の歯で橋渡しする)を入れ、歯が多く無い場合は入れ歯(義歯)を作ります。
また骨に人工の歯の根を埋めてその上に歯を作る(インプラント)手段もあります。入れ歯には多くの種類があり、詳しくはかかりつけの歯科医にご相談下さい。
歯の本数、構成に関するもの
~乳歯、永久歯、知歯
- 歯は何本あるのですか
- 歯の数は成人で上下14本ずつの28本(親知らずがすべてある人は32本)、小児は上下10本ずつの20本です。
6歳前後から大人の歯(永久歯)が生え始めてその後子供の歯(乳歯)の数も変化していきます。
奥の永久歯が生え出して生え変わりが完了し落ち着くまでは歯の表面も未成熟でむし歯になりやすいため、保護者が寝る前の仕上げ磨きを行いチェックすることと、歯科医院での定期検診が重要です。
義歯の種類などに関するもの
~保険適用、自費
- 入れ歯にはどのような種類がありますか?
- 失った歯の多少によって、歯がすべて無い場合は総入れ歯(全部床義歯)、何本かの歯が残っている場合は部分入れ歯(部分床義歯)となります。
また、使用する材料によって、プラスチックのみを使用したレジン床義歯、金属材料を使用した金属床義歯があります。
- 保険の入れ歯と自費(自由診療)の入れ歯の違いはなんですか
- 保険の入れ歯は、使用できる材料があらかじめ決められています。
自費(自由診療)の入れ歯は使用できる材料を自由に選ぶことができます。
例えば、入れ歯の義歯床(歯の無い部分を覆う面)は、保険の入れ歯ではプラスチックしか使用できませんので、強度の問題から厚くなってしまいます。
自費の入れ歯ではチタン等の金属を使用し、より薄く丈夫で違和感を少なくできます。また、クラスプ(歯にかけるバネ、はりがね)も金などの適合性がよく、生体親和性のよい(体に優しい)材料を使用できます。
ホワイトニングについて
~方法、費用?
- ホワイトニングとは何ですか?
- 歯の漂白とも言われ、歯の表面の汚れを落とすだけではなく、薬を使って歯の中の色素を分解し、歯の色を白くしていくものです。
その効果は、元々持っている歯の白さ等によって個人差があります。オフィスホワイトニング(歯科医院で行う)とホームホワイトニング(自宅で行う)があり、効果の表れる期間に違いがあります。
一度白くしても再着色が必ず起こりますので、白さを維持する為には、日常のケアと定期的なメインテナンスが必要となります。ホワイトニングは保険外診療です。
フッ素化合物について
~その効果、安全性など
- フッ素について教えて下さい
- 一般にフッ素と呼ばれますが正しくはフッ化物です。むし歯予防に関してはその利用は有効で、歯科医院などで行うフッ化物塗布と市販のものを使った家庭での方法があります。
フッ化物は再石灰化(歯を堅くする)を促す、酸に強い歯をつくる、そしてむし歯菌が酸をつくることを抑えるという働きがあります。
歯科医院で使うものは市販のものより効果的なものを使います。
普通の使い方であれば害はありませんが利用法については歯科医師にお尋ね下さい。
ブラッシングの種類について
~主な種類、適性
- どんな磨き方がいいですか
- 代表的な磨き方にはフォーンズ法、スクラッビング法、バス法などがあります。
フォーンズ法は歯の表面に対して効果的です。ブラシの毛の先端を歯の表面に直角に当てて小さい円を描くように動かします。
次にスクラッビング法ですがこれも磨く面に直角に当てて左右に小刻みに動かします。
バス法は歯茎に対して有効で、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)に対して45°に当てて細かく動かします。
いずれの方法でも力のいれすぎは禁物です。また、何を主な目的とするか、歯や歯茎の状態はどうかによって適切な方法は変わりますので歯科医院にて正しいブラッシングを教えてもらうことが大事です。
インプラントに関しての質問
~方法、治療期間、費用
- インプラント治療とはなんですか?
- 何らかの理由で歯を抜いたり失ってしまった場合に、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、それを利用して歯の形を再現する治療法です。
顎に固定される物であるため、ご自身の歯のようにしっかりとかむことができ、入れ歯のようにガタついたりするわずらわしさがありません。
しかし適応できる条件があり、健康保険適応外となります。
歯ブラシに関するもの
- 歯間ブラシとはどの様なものですか
- お口の中の状態をより良く保つためには、歯ブラシ(オーラルケア)だけで はうまくできないところが問題になります。
具体的なひとつが歯と歯の間ですが、ここに使う代表的なものが歯間ブラシです。
歯と歯の間は正常な歯並びの場合、生え際寄りには隙間(すきま)があります。
ここは歯ブラシだけでは届きづらく、その補助をするものが歯間ブラシです。
多くがツマミの先に細いブラシが付いた形態で、ブラシは細いものから太いものまでいろいろな種類があり、使い捨てのタイプやブラシがゴムの様なものもありますが、隙間に合ったものを選ぶことが大切です。
歯科医師、歯科衛生士とよく相談して使うことで大変効果を発揮します。
ブラシ状では入らないところは、糸ようじ(デンタルフロス)等を使うと効果的です。